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Solar System

小惑星や惑星間空間のダストは, 太陽系の形成と進化の情報を保持しています. 私は Tomo-e Gozen の動画観測を活かして, 微小な地球接近小惑星の探索・自転の研究と, 暗い流星の観測に取り組んできました. 高速で移動したり短時間で明るさが変わったりする天体を捉えるための解析手法も開発しています.

Rotation of Tiny Asteroids

小惑星の自転に伴う明るさの変化から, 自転周期や形状についての情報が得られます. 微小な小惑星には数秒から数十秒で自転するものがあり, 長い露出では明るさの変化が平均化されてしまいます.

Beniyama et al. (2026) では, せいめい望遠鏡の TriCCS による 3 色同時動画観測で, 自転周期が 1 分未満の 3 個の微小小惑星を調べました. 高速自転による明るさの変化を追いながら色を同時に測ることで, 天体の分類や表面の色の一様性を検討しています.

共同研究 Beniyama et al. (2022) では, 2018 年から 2021 年に Tomo-e Gozen で 60 個の微小地球接近天体を動画観測し, 32 個の自転周期と軸比を求めました. このうち 13 個は自転周期が 60 秒未満で, 最も速い 2020 HS7 の周期は 2.99 秒でした. 高い時間分解能で観測することによって, 従来の観測では捉えにくかった高速自転天体の集団を調べられることを示しました.

小さな小惑星は暗いため, 地球に近づいた短い期間にしか詳しく観測できないことがあります. 地球に接近すると見かけの移動も速くなるため, 短い露出で連続的に撮影する動画観測が有効です.

大量の観測データから移動天体を見つけるために, 短い時間内に得られた位置の列 (tracklet) を抽出するアルゴリズム tracee を開発しました (Ohsawa 2021). 点の近傍関係をグラフとして構成し, 直線状に並ぶ点をまとめることで, 3 次元空間から線分を検出します. 無関係な点が混ざったり軌跡が交差したりする場合にも対応できるようにした手法です.

Faint Meteors and Interplanetary Dust

惑星間空間の小さな粒子は, 地球大気に突入すると流星として観測されます. 暗い流星を多数観測して明るさの分布を調べることは, 小さなダスト粒子の集団を理解するための手がかりになります.

Ohsawa et al. (2020) では, MU レーダーと光学カメラによる同時観測をもちいて, レーダー反射断面積と可視光の等級の関係を調べました. 過去の高感度 CCD 観測と Tomo-e Gozen の観測を合わせて 331 個の同時検出流星を解析し, 両者を結びつける変換式を求めました. これを MU レーダーで検出された約 15 万個の流星に適用することで, 流星の明るさの分布を統計的に評価しました.

Ohsawa et al. (2019) では, Tomo-e Gozen の試作機 Tomo-e PM による 2016 年の観測から, 合計 2,220 個の散在流星を検出しました. 絶対等級でおよそ 4 等から 10 等の暗い流星を調べ, その明るさの分布を単一のべき則で説明できることを示しました.

Stellar Occultations

太陽系天体が背景の恒星を隠す掩蔽では, 恒星の明るさの変化から天体の大きさや大気について調べることができます. 共同研究として, 2019 年の掩蔽観測による冥王星の大気圧の推定 (Arimatsu et al. 2020) や, 太陽系外縁天体 Quaoar の大気への制約 (Arimatsu et al. 2019) にも参加しました.