Skip to content

Data Analysis

Slow Scanning

地上中間赤外線観測では望遠鏡の副鏡を高速1に振動させて視野を切り替えながら観測する “チョッピング” という手法がもちいられます. しかしながら, チョッピング観測は機械的な要求が高く, 観測時間のロスも大きいという欠点があります. 電波天文学では, 望遠鏡を連続的に動かしながらデータを取得するオンザフライ観測 (on-the-fly) が活用されています. 地上中間赤外線観測でもオンザフライ観測を利用するための技術開発と実証をおこないました.

通常のオンザフライ観測では大気の状態が変わる前に望遠鏡の指向方向を動かす必要があります. 地上中間赤外線観測でまったく同じことをしようとすると, 望遠鏡と観測装置に非現実的な性能を要求することが分かりました. 一方で, データ解析方法を工夫することによって要求する性能を現実的な範囲に納めることができるとわかりました.

以下の論文では地上中間赤外線観測でオンザフライ観測を実現するための解析方法を提案しました. 実際にすばる望遠鏡の中間赤外線観測装置 COMICS を使用してオンザフライ観測をおこない, 従来のチョッピング観測よりも高い観測効率を達成できることを示しました.

この論文でオンザフライ観測の有効性を示すことができたのは, 明るい点源 (星) に対してのみでした. 今後は暗い天体や広がった天体への性能を評価することや, データ解析アルゴリズムの改良 (高速化•高精度化) を目指しています.

birsvd

birsvdDas & Neumainer (2011) にて提案された行列の低ランク近似アルゴリズムです. Slow-scanning 観測のデータ解析において核となる演算として使用しました. オリジナルは MATLAB による実装ですが, Python で実装したモジュールを公開しています.

fdlsgm

fdlsgm は 3 次元空間上で直線状に並んでいる線分を高速に検出するためのモジュールです. オリジナルのアルゴリズムは Jang & Hong (2002) で提唱されたものです. Jang & Hong (2002)では 2 次元画像上の non-directed line segments に対する実装でしたが, ここでは動画中を移動する天体の探索に使用するために, 3 次元空間中の directed line segments に対して働くようにしました.

pip を使用してインストールできます.

pip install fdlsgm

minimalKNN

Approximated k-Nearest Neighbor グラフを生成するための Python モジュールです. 使用しているアルゴリズムは Dong et al. (2011) にて提案された nndescent です. すでに PyPi にてモジュール pynnsescent が公開されていますが, 機能を絞って高速に処理したいというニーズに合わなかったために自作しました.

pip を使用してインストールできます.

pip install minimalKNN

gcxmlib

球面上の直線や線分を扱うためのライブラリ (開発中) です.

pip を使用してインストールできるようにする予定です.

Meteor Detection

falsedto

Hough 変換を応用して 2 次元画像中に含まれる線分を検出するためのモジュール (開発中) です.

pip を使用してインストールできるようにする予定です.

Other Software

ujigawa

Tomo-e Gozen によって取得した 3D FITS data cube を解析するためのコマンドをまとめたスクリプトです. pip を使用してインストールできます.

pip install git+https://bitbucket.org/tomo-e/ujigawa.git

sidex

HTTP プロトコルを使用してデータをやり取りするためのソフトウエアです. pip を使用してインストールできます.

pip install sidex

texarchive

複数に分割されている LaTeX のファイルを 1 つにまとめるための Python スクリプトです.


  1. 大気の状態が変わるタイムスケールより速く振動させる (数 Hz) 必要があります.